悠久の片隅

日々の記録

<a href="http://ameblo.jp/fujiko-diary/entry-11214564266.html">読書覚書き</a>

芥川龍之介羅生門

人間は、出会う出来事、出会う相手により『善』にでも『悪』にでもなってしまう危うき生き物だなと。

相手が侮蔑すべき人と見れば 自分はそうはなりたくないと思い

相手が死をも覚悟すべき状態と見れば 優しさも醸し出し

相手が自分が思ってるほどのモノ(心)を持ち合わせてないと思えば また憎悪を感じ

相手が自己弁護をすると なんの躊躇もせず襲いかかる。

この下人とお婆さんの感情の変化は滑稽だけど、共感出来るからやんなっちゃう。

私が1万円を拾う。

目の前に交番がある。

はい、私は1万円を届ける。

私が1万円を拾う。

一緒にいた彼が、どーせ拾ったお金だしこれで競馬いこうと言う。

結果、1万円は10万円になり、その晩二人で盛り上がる♪

私が1万円を拾う。

旦那はリストラされ家計が苦しい。

これで子供のミルクが買える。

申し訳ないと思いつつ、(ネコババ)使わせていただきます。

同じ私と1万円。

私の主体ってなんなのかな・・・・・

羅生門は教科書にもあった?

その頃の私はどんな風に読んでたのかな。

まるっきり印象が無い(-"-;A

キリギリス1匹が良いアクセントになっている。

小説は映像というより、絵画だと思う。

芥川龍之介『鼻』

私はユーモアの解せない人間です。はい、この話は無理。

鼻を茹でたり、弟子に踏まれるなど

もうそこだけで、この物語はいやじゃ。

どんなに惨めになろうとも、自分の身体的欠点を治そうとするその主人公の哀れさ。

痛々しい。

その残酷さをユーモアを持って読めまてん。

この本は

自分より不幸な人を見れば同情する。

でもその人が自分より幸福になった時人は不快な気分になる。

そんな人間の二つの感情を

より残酷に、より嘲笑をもって、わざとらしく書き表わしたのでしょうね。

そういう意味では、私は芥川のその術中にまんまと嵌ってます。

『鼻』は夏目漱石絶賛らしいけど、

こんなもん書くなよぉ。゚(T^T)゚。 後味悪すぎ(T_T)

そして、みんな、私より幸福にならないでねパー(笑)

夏目漱石夢十夜

相性の悪い夏目漱石

『こころ』は読むのに苦労したし、

坊っちゃん』も然程面白く感じてない(:_;)

これは「こんな夢をみた」で始まる10の短編。

【第一夜】

夢の話にしては女性の描写が怖ろしいほどリアル。

それゆえ、美しさと不気味さがミックスされて不思議な世界。

>「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。

ラストにこの一文がきてるのがものすごくいい。

【第二夜】

>その切ないものが身体中の筋肉を下から持上げて、毛穴から外へ吹き出よう吹き出ようとるけれども、どこも一面に塞がって、まるで出口がないような残刻極まる状態であった。

無になろうとしてるのに、かえって凄い事になってる(笑)

目が覚めたらすごい汗かいてそう・・・

【第三話】

すぐ話の見当がついた。

だから余計にどうなるか先が気になってドキドキしたのかもしれない。

【第六夜】

一番好き。

何が好きかよくわからないけど、絵として好きなのかな。

自分がこの男になってるのかもしれない。

【第七夜】

船から飛び降りて海に着くまでの一瞬に後悔するなんて。

でもこの人はここで飛び降りなかったとしても飛び降りたい願望はいつまでも続いてたと思う。

【第九夜】

ん?こんな悲しい話を夢の中で母から聞いたのね。

頭がこんがらがりそうです。

【第十夜】

まったく意味がわかりません(笑)

夢の話だから不思議で当然なんだけど、夏目漱石が書くとそれとはまた別な不思議さで迫ってくる。

生々しい仮想世界なのかな。異様な世界に迷い込んでしまった風だった。