悠久の片隅

日々の記録

<a href="http://ameblo.jp/fujiko-diary/entry-11364186730.html">ヘッセのシッダールタ</a>

シッダールタ (新潮文庫)/ヘッセ

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詩的なリズムにつられて、川の流れのように読んでしまった。

バラモンカーストの最上階)の生れのシッダールタが、

悟りの境地にたどり着くために、高い所へ高い所へ向かうが、

途中からは、川を絡め、低いところへ、深いところへ、向かうあたりは、仏教に近しいものを感じる。

でも宗教というよりは、インド哲学か。

ウパニシャッド哲学というのとも違うのか・・・?

物語は、それほど深くなく、ありがちで、単純。

でもヘッセがたどり着いた世界には、深い思いが感じられる。

シッダールタの悟りへの道程は

アルケミストだっけ・・・

『大切なものは、すぐ近くにあるが、

世界一周するほど遠回りをしないとそれは、見つからないんだよ。』

みたいな道筋。

真実は言葉の中には無い事を伝える。

教えを乞うて、たどり着くものではない。

すべては、シッダールタの微笑みのその一瞬の中に。

今一瞬の中に完全がある。

生も死も、悲しみも喜びも、善も悪も・・・

なんだか

ピカソの絵みたい。

過去は

もう起ったことで失いようが無い

未来は

もってないから失うものは無い

あるのは今だけ。

これってマルクスアウレーリウスだっけ・・・?

違うな・・・

誰の言葉だか忘れた。

ともかく、

存在する時間は今しかない。

言い換えれば

時間は実在しない。

すべての物の中に一切があり、隔たりが無い。

これは宮澤賢治っぽいな。

シッダールタが自分のことを「彼は」と他人のように言うのは自分を俯瞰してみてるのかな。

ヘッセの哲学はよくわからないけど、文章は川の流れそのものでとても印象的。