悠久の片隅

日々の記録

宝石箱を読む

芝生剥がすの思った以上に大変。

一番根が張っている今の時期にやるのが間違ってるかぁ。

鎌で少しづつ剥がすけど、けっこうな力作業。

汗ばむと、胸がチクチクする。

マズイ。。。

今日は胸にホルダー心電図がつけてあって、

テープで胸にガチガチに止めてある、そのテープが汗でヒリヒリ痛い。

今日はシャワーもお風呂も入れないのだから、汗かいている場合じゃなかった。

作業中止。部屋でゆっくり本を読んでいました。


ポケットアンソロジー 生の深みを覗く (岩波文庫)

ポケットアンソロジー 生の深みを覗く (岩波文庫)

Ⅱ関係のゆらぎ

夏目漱石モーパッサンバクスター林芙美子の短編4作品。

漱石の『自転車日記』は、イギリス滞在中にその頃流行りだした自転車に挑戦する話だけど、

初めての自転車に翻弄される漱石の内面が面白い。

藤原正彦のアメリカ記やイギリス記が、こんな感じ。

いいなぁこういうの。

この4作品はさりげない日常の哀しみ・・・かなぁ。

バクスターの『ガーシュウィンのプレリュード第2番』のセリフが素敵です。

「退屈には優しさと慈悲があります」マダムはおだやかに言った。

「だから約束して下さい。今からはもう始終祝杯をあげたりしないと。

年がら年じゅうしあわせを求めたりしないと」

人はしあわせを求めて生きているんだろうけど、

しあわせにしがみつかないと生きていけないようだと自らを滅ぼす。

お金で手に入れられる喜びは、お手軽なんだと思う。

お金さえ払えば即得られるのだから。

ギャンブルにしても、お金さえ払えば、退屈から逃れ日常にはない興奮を得ることが出来る。

でも喜びの海に溺れてしまうと、退屈だったり平凡だったりの日々に耐えられなくなる。

しあわせすぎることのない退屈な日々に潜在する優しさと慈悲。

終着駅より車窓を味わう人生でありたい。

モーパッサンの作品も林芙美子の作品もこの年齢だからシミジミ感じるものがある。


アメリカを読んでいる時にマルコムXが出てきた。

体験が変われば自分の考え方、それに伴う行動も180度も変わる。

昨日までノーだったことがイエスになってしまう。

世間的に矛盾と批難されても、それは当然のことなんだ。

それも勇気に思う。

変わることも受け入れていく。

一番つまんないのは思考の停止なんじゃないかと思う。

変えること、変わることが出来ない。

いつまでも若くありたいというのも、変われないことのひとつなんじゃないかな。

しがみつかない生き方。

退屈の中にある優しさと慈悲。

アンソロジーは、花束という意味らしいけど、

この本は綺麗なお菓子が詰められた宝石箱みたい。1つ1つ開くのが楽しみ。

ガーシュウィンのプレリュード第2番聴いてみよっと。