文章読本
偉大な作家の作品が70作品。
1作品が2、3頁で完結していて読みやすい。
ボチボチ読んでいるけど、どれもすごい。
普段見過ごしているものも、この人たちの目を通すとまったく違ったものに見える。
1つの作品に、1つの設問がある。
作品を読むだけなら3分ほどあれば読める。
読んだあと、設問をみて、なんとなくは答えがわかる気がする。
気がするだけで、
解答を見ると、微妙に違う。
というより、本気で解答を示そうとした時に、
頭の中の漠然としたものを、形に表す(文章にまとめる)のは、相当に手間がかかる作業だ。
読むだけ=インプットは、テレビを見るのも本を読むのも同じで、頭を使わなくても可能だけど、
アウトプットは相当に能力がいる。
自分が把握してるものがなにか。
自分の内部を見つめ、自分の持ち駒と照らし合わせてみたり、
どこにしまったかわからない引き出しを探してみたり、
逃げないで1つのことを考えるということが、こんなにも大変なことかと、
とてもではないけど、1つ1つ私はじっくり考えることが出来ない。
大人になるにつれ、その根性をどこかに置いてきたみたい。
学生というのは、毎日こんなにも考える生き物なのかとおそれいる。
また、
ここに書いてあるように、
頭で描いたことを、文章にしだすと、
また別の考えが生まれて、書こうとしたものと書きあがったものは、まるで違う。
自分の中で呼応し合い、また新たな考えが生まれ文字になってゆく時、
そんな考えが自分の中にあったことに自分自身で驚く。
とりとめもなく考えていることを、アウトプットすることは、混沌から象徴へ。
これは相当苦です。
この本は、1つ1つの作品も面白くて、書いてあることは苦もなく読めて、
でも、わかっていそうで、自分は何もわかっていないことを思い知らされる。
国語の教科書がこんなだったらいいなぁ。
中高生が毎日1作品づつ読めば、相当に得るものがあると思う。
幾つになっても遅くないって言うけど、
やはり私のような年齢になってでは遅い。
若い心でもって是非読んで欲しいと思う。