悠久の片隅

日々の記録

K-19

K-19 [DVD]/ハリソン・フォード,リーアム・ニーソン,ピーター・サースガード

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1961年ソ連原子力潜水艦の中で放射能漏れ事故が起きた。

実話を元に制作された映画。

映画が始まってみればアレレレレ。英語。

なるほど、アメリカ制作映画なのね。

1961年といえば東西冷戦まっただ中。

この映画の設定では、

アメリカ海域近くで、核ミサイルを積んだソ連潜水艦の原子炉冷却装置が故障。

1000℃に達すればヒロシマ以上の核爆発が起きる。

当時アメリカとソ連は一触即発状態。

「ごめんなさい。ちょっと機械の故障で爆発しちゃったけど、悪気はないですよ」

と謝って済む話ではない。たとえ事故であろうと、

アメリカはソ連からの核攻撃とみなすであろうし、そうすればアメリカとソ連の全面戦争になるだけでなく、

集団的自衛権で、ワルシャワ機構、NATOをも巻き込む第三次世界大戦。

もしくは核戦争となり、地球がふっとぶこととなる。

実際1962年のキューバ危機では、核戦争寸前だった。

事故を回避する方法として、ひび割れた箇所の溶接しかない。

それは原子炉内での作業となる。

艦内には実はレインコート程度の防護服しか積んでおらず、放射能を浴びることは免れない。

出航前からずさんな整備による故障であり、まともな人員の確保もされておらず、上層部による不当な人事もあり、

事故は起こるべくして起こったことだが今さらそこを追求したところで、タイムリミットは3時間と迫っている。

ここで爆発を起こせば、自分たちの命というより、アメリカからの報復、祖国ソ連の人々の命にかかわる。

ソ連海軍の誇りにかけ、隊員たちは危険な作業の志願をかってでる。

1人10分の時間を決め、交代で原子炉に入っていくが、

出てきた者の姿は全身ただれ、とても助かる見込みはない。

それでも任務遂行のため次の者、そして次の者と放射能の中へ、恐怖を乗り越え入っていく。

実際その時の7人が一週間以内に亡くなり、二次被爆で20名が亡くなった。と最後に流れた。

こういった事実はソ連崩壊ののち明らかにされた。

艦内の混乱により祖国ソ連との連絡も不通。

途中、アメリカの駆逐艦に救援を頼むかどうかで意見が分かれる。

アメリカに救援は頼まないというキャプテンは悪者のように映るが、

あの時代の、ましてや共産党ソ連を思えば、国の主要艦である原子力潜水艦を沈没させ、

船員をアメリカの手に渡すなどありえない話で、人の命よりソ連共産党という国の体制。

今だから人の命は何よりも重いと当たり前のように言う。

キャプテンがイジメのように部下たちをきつく指導するのも、

個人の命より、ソ連海軍を鍛えて鍛え世界一とすることにしか意義を感じないように思える。

その悪役のキャプテンが、あるきっかけで、船員たちと心を通わせていく。

そこにほだされる。

最後には冷却装置の故障も修理成功、乗組員たちもロシア船に救助され、事故は犠牲者の元、最小限で食い止めることは出来た。

私はこの映画緊迫感あって良いと思う。

描き方が非常にアメリカ的ではあるけど、よく出来た映画と思う。

単にパニック映画ではない。

アメリカ対ソ連の対立映画でもない。

人間を描いたドラマ。

私はこの映画を今日の昼間Huluでみてたのだけど、今夜テレビで放映されるらしい。

もう1回見よっかな。