悠久の片隅

日々の記録

<a href="http://ameblo.jp/fujiko-diary/entry-10442399809.html">「母」 三浦綾子。</a>

母 (角川文庫)/三浦 綾子

¥500
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*今年読んだ本の中で一番の作品*

今年の終わりにも、私はきっとそう思うと思う。

小林多喜二の母が、自分の生涯と多喜二の恋と死について語ります。

その語りによって

多喜二の人となりが、

あまりの純真さが見えてくる。

母は、息子を力強く信じ、愛し、

その息子は拷問の末の惨たらしい姿となり、自分の元に戻ってくる。

「多喜二が貧乏人を助けたいって考えたことが、そんなに悪いことだったべか。」

「多喜二、わだしはお前を生んで、悪いことしたんだべか。」

この本を読んで泣いて泣いて。

感じたことは山ほどある。

あり過ぎて書けない。

あまりに重いテーマだと思う。

でも、

凄惨さばかりを感じずに読み進めることが出来たのは、

母の秋田訛での語り口調という三浦の手法のお陰と思う。

私は、この本を読みたくて

まず蟹工船を読んだ。

でも蟹工船を知らなくても、プロレタリアがなんだかわからなくても

この本は問題ない。

これは、貧困の中を生き抜き、一筋に息子を信じ愛した母の物語です。

私は、人に本を薦めることはあまりしないけど

この本は

ひとりでも多くの人に読んで欲しいと願う。