悠久の片隅

日々の記録

<a href="http://ameblo.jp/fujiko-diary/entry-10638970290.html">舞姫①</a>

先日、高校生と夏休みの宿題について話してて、

「で、何が終わってないの?」

「読書感想文・・・・・」

「本はもう読んだの?」

森鴎外舞姫。3ページ読んだけど、全然わからない・・・・・」

森鴎外・・・・・

舞姫・・・・・・

逆に私は

森鴎外という人物をどう思うか?

高校生がどうしても舞姫を読まなければいけない理由は何か。

と、先生に問いたい。

先生をおちょくってるわけじゃなく、私は純粋な気持ちで知りたい。

私はこの歳でも舞姫を読んだことがない。

以前読みたくて眺めてはみたもののやめて、現在に至る。

ただ先生が『唯一この本』と指名するからには、必ずそこに何かがあるはず。

そう思うと、私はその理由を知りたい感情が抑えきれなくなる。

父の書庫を探る。

『現代日本文学全集』の中に日に焼けた『森鴎外集』発見。

現代文学になるのかw

その一番最初が『舞姫

話の筋はちょっと知ってる。

青年がドイツ留学かなんかして、向こうの女性と恋に落ちる・・・・・

そんな話でしょ?違うかもしれないけど、私の中のうろ覚えの知識はその程度。

ページにして10ページにも満たない短編。

舞姫の出だしはこう。

石炭をばはや積み果てつ。

この人、何言いたいの?

石炭をば はや 積み果てつ。

の区切りでいいのか?

石炭を もう積み(果てた)終わりましたよ。

ってことかな

ちと待て!

どこに積んだ?

何がどうした?

何だろねぇ、この唐突の文は。

舞姫という美しいタイトルなのだから、

せめて出だしは、天候とか、人間に関することにしてくれないかのぉ・・・・・

恋物語と思ってるのに、いきなり石炭という無機質なものでは読む気も失せる。

それより、

文語体は、いかにせんわからない。

古語辞典によると

『をば』は、強調する言葉とある。

石炭を強調?

早々に石炭を積んだピース

ってところかな。

鴎外の文学そのものが、

私はけっこうぶっきら棒な感じがする。

この人無駄なこと書かない。

一文字も書かない。

そういう人(笑)

これを高校生に読めって

そりゃアンタ、酷ってものでしょ。

でもね

もしもよ、

もしも私が今回舞姫を読んで大いなる感動、何かしらの感銘を受けたとしたら、

それはそれで先生が宿題にしたことに1つの意味が生まれてくる!

それは私にとってで

高校生にとっては、迷惑でしかないかもしれないけど。

人の言葉の影響というのはめぐりめぐってあらぬところに辿り着くことが多いように思う。

藤子のブログ

どっちにしろ、これは非常に読みづらい。

解説を読むと

和文調との漢文調の融和で当時、とても珍しいものだった。

とある。

そうだ、

鴎外は漢文に関しても、第一人者だと私勝手に思ってる。

余計読みづらいではないか。

先生は高校生に何を感じさせたい?何を掴み取らせたい?

私の興味はもう鴎外じゃなく『先生の意図』になっている。

この本を読み砕くにはどうしたらよいか・・・・・

それで横浜の本屋さんで何か良いものはないかと探してたのです。

マンガもあるけど、

私は別に話の内容を知りたいわけじゃないから却下。

鴎外が織り成す文字を読みたいの。

確かに文語体はわかりづらい、読みづらい。

でも、リズム感があって、メリハリが利いてて、そこが美しいと思う。

きっと漢詩もそう。

舞姫最後の一文。

されど 我脳裏に 一點(てん)の彼を懀(にく)むこゝろ 今日までも殘(のこ)れりけり。

(彼はイイ奴だけど)

それでも私の心奥深くには彼を憎むひとつの黒い点が、今もそしてこれからも在り続けることでしょう。

って感じかな。

現代の言葉と比べて七五調っていうのかな、書き方がキリリとカッコイイ。

ラオウの『我が生涯に一片の悔い無し』

じゃないけど、

案外文語体は今現在でも生きている。

ラオウが『私の人生に一つの悔いもありません』なんてセリフより

『悔い無し!』

でしかないと思うし。

決めゼリフは文語体で、素直に受け入れてる。

やぱ、ラオウカッコイイ♪

この一文だけでも私は読書感想文が書ける(笑)

極端な話、本を読んで内容が掴めなくても、

興味を持てれば、そこに何がしかの感想は生まれるものだと思うのです。

私なんて、こうやってすぐあっちこっち脱線してしまう。

一點(いってん)

『点』の旧字は黒に占。『黒いほし』という意味。

なるほど黒+占=点という略字にちゃんとなってる。

誰が考えたのかなー 夏目漱石あたりかなー

現代の言葉は、夏目漱石が作ったものが多い。

だから夏目漱石の本は私たちにも読みやすい

はずなのだけど、どうだろう・・・・・

舞姫は、あまりに学ぶことてんこ盛りでなかなか読み進まなかった。

私は暇だからいいけど、高校生には時間的にムリじゃない?

高校3年生受験生には、やはり酷なのではないかしら。