悠久の片隅

日々の記録

<a href="http://ameblo.jp/fujiko-diary/entry-11272675492.html">この日、この空、この私</a>

この日、この空、この私―無所属の時間で生きる/城山 三郎

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藍染めのようなブックカバーの城山三郎のエッセイ。

『この日、この空、この私』

すべてがゆったりして、読んでいると心が落ち着くお茶

私はこの年代の方の書いたものが好き。

と言っても、

亡くなられますが。

私の好きな作家さん、

みんな亡くなられていくのが寂しい。

戦争体験された方の書かれたものは、何かが大きく違う。

城山三郎梶井基次郎がずっと好きだたと・・・

おだやかな詩情というか、はりつめた澄明な感じが、何より気に入ってた。

と、書いている。

もうこの口調だけでノックアウトです。

企業小説を書いているイメージからは程遠いこの言葉にドキッとした。

きっと繊細な人なんだ・・・

私は、作家さんが、どんな作家さんが好きなのか知るのが一番ドキドキする。

電車で傍目を気にしないギャルたちがガヤガヤ乗ってくると、自分が座っていても電車を降りるという。

そして次の電車で立って1時間かけて帰る・・・

繊細な人は、今の世の中は疲れるだろうなー( p_q)

最近は、エッセイをよく読む。

小説ばかりではエネルギーの消耗が激しくて。

どっと疲れた頭には、夜はエッセイがいい。

大家の独り言は、珠玉の響き、味わい深いです。

昔のメモに「椅子にいかにじっと坐って居られるかが勝負である」と書いてあったと。

でもこれは実は、

高校生の息子さんの机の前に貼ってあったものをひそかに書き写したらしい。

これは『落日燃ゆ』の執筆の過程のことのようです。

物書きが、子どもさんの言葉を借りてくるほどの心細さは、あまりにも痛々しくて、

作品には決して表れない苦悩が、エッセイで見てとれる。

かと思えば、

3人の主婦がそれぞれ犬を連れてお散歩しているのを見て

「そうかー。犬は、しゃべらないんだなーと、とても当たり前のことなのだけど思ってしまった」とか。

これわかる・・・

以前は、当たり前すぎて考えもしなかったことが、感慨深いものに感じる瞬間が近頃ある。

この感覚はなんなんだろう。

花王の元社長丸太さんから新入社員への訓示』がのっていた。

1.会社の仕事とは別に、何か研究なり勉強を生涯持ち続けるようにすること。

うんうん、最高の教えだ。

人間仕事が出来ても、好きなことの追求を忘れたらダメに思う。

ロマンが無いと創造性を持てない、創造性を持てないと想像性も育たない。

こういう社長さんの話をきちんと聞けて、尚且つ実行出来てる人は素敵だな。

このせっかちな世の中に、ロマンとそんな心のゆとりを持てる人を魅力的に思う。

それも才能の1つなのかな。