悠久の片隅

日々の記録

<a href="http://ameblo.jp/fujiko-diary/entry-11369858087.html">オリバーツイスト</a>

オリバー・ツイスト [DVD]/バーニー・クラーク,ベン・キングズレー,ハリー・イーデン

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原作者は『クリスマスキャロル』を書いた ディケンズ

なるほど。

イギリスの産業革命あたりの階級格差、貧困はひどい。

これでも、まだ綺麗に描いた方かもしれないけど。

灰色の重い空、雨、霧、うす汚れた路地裏、古いアパートの下層階級、

横暴な判事、中流階級の小ズルい人たち、馬車の上の上流階級が、

当時のごちゃごちゃっとしたロンドンをよく表しているんじゃないかな。

貧しい子供が入れる救貧院はあって、食事は与えられても、

その実態は

『すべての貧乏人どもは救貧院に入ることによって、徐々に餓死させられるか、

救貧院に入らないですぐに餓死させられるか、どちらかを自由に選択すべきである』

形だけの制度ほどタチの悪いものはない。

主人公オリバーは、そんな中から、売られ、逃げ、窃盗団の中で生活しながらも

純心な心を忘れず、救われるお話。

ひとり、ひとりのキャラクターが、いい。

特に、子供たちにスリをやらせる窃盗団の親分フェイギン。

こういう場合って・・・大抵、わし鼻のユダヤ人。

ユダヤ人=守銭奴みたいな描き方は昔のキリスト教徒のお決まりのパターンかな。

クリスマスキャロルのスクルージユダヤ人だっけ?

ユダヤ人が排他的なのか、

世界がユダヤ人に対して排他的なのか、

どっちもどっちなのだろうけど、

人はどうして、自分たちと違う人間を認められないんだろう。

それが差別やイジメなのだと思うけど。

人間の排他的であることが諸悪の根源に思う。

私は子供の頃、

ユダヤ人がとにかく怖ろしかった・・・

ベニスの商人の肉1ポンドが強烈すぎたよ。シェークスピアの影響怖ろしい。

そのあとは、父にアンネの日記を与えられ、ユダヤ人かわいそうに変わるんだけど。

この映画のフェイギンは、やはり風貌は、そのイメージのまんまなのだけど、

でも、まるっきりの悪党には書いてないし、孤児たちに(スリ)で生きる術を教えているという点で

政府がやる形だけの救貧院より、ずっと人間的。

世界中に悲劇の歴史があって、

そこで命をとして闘った人たちがいて、

その平和への闘いが、世界に波のように伝わって

そして今の私たちの暮らしがある。

このイギリスの子供たちが私に何も関係無いわけではない。

オリバーツイストの、原作を読んでみたくなりました。