ホームズ対フロイト 第二部
第二部。
この本は幅が広い。考える。うん・・・すごく考える。
死んだ後見人の遺体が見つかった。
後見人は政府高官で、スパイ活動にも絡んでいた為、暗殺された可能性があることから、
ホームズに極秘捜査の依頼がきた。
やっとホームズ登場。
第二部になり、一気に様相が変わり社会派ミステリーになった。
英仏通商条約が締結されたけど、相変わらず欧州は緊張に包まれている中での事件。
世界は、第一次世界大戦に向かっていく・・・・・
『大陸』なんて言われるとアメリカかと思っちゃったら、
ホームズはイギリスだから、『大陸』と言ったらヨーロッパ大陸で、
アメリカはアメリカだー。
私は『大陸』と言われると、距離的には遠いのにユーラシアよりアメリカ大陸を思い浮かべる。
いかに、ユーラシアに目が向いていないかだな。。。。。
これからはアメリカよりユーラシアとの協力が大事になってくるし、そうじゃなきゃダメだ。
ヨーロッパ最大の希望は互いに良き隣人として暮らすこと。
それぞれの国が自分の庭の世話をして、他の国々に敬意を払いながらも、
同時に他国が何をしているのかを知っていることにある
ふむぅ~。この辺が、日本のもってない感覚。
他国が何をしているのかを知っていること、すわなち諜報活動。
この本では、諜報活動が平和の為にいかに重要かを何度も説いている。
ということは、
著者はイギリス人かな。
もし本当に重要なら、日本は『スパイ天国』アハハなど言ってる場合ではないのだけど。
欧州では、無用な戦いを避ける為に、水面下の動きが必要ということなのだと思うけど、
日本でも間者はいたし、間者同士の情報網もあったと思う。
でも対諸外国となると、正攻法しか無いんだろうな。
この本の題名が『ホームズ対フロイト』なわけがわかった。
1つの物事に、
フロイトは心理学という内面からのアプローチ、ホームズは科学的証拠という外面からのアプローチ、
ということでvsなんだ。
もしくは、フロイトは推察で、ホームズは物的証拠。
でも隙の無い探求ということでは、両者共まったく同じであること。
原作は、ケース・オブ・エミリーというタイトルなので、
『エミリーの症例』と『エミリーの真相』との両方の意味を、掛け合わせてあるのかな?渋い!
それをホームズ対フロイトと訳した方が、インパクトがあって(売れるし)、内容と見比べても的確に思う。
著者も訳者さんもすごい!