悠久の片隅

日々の記録

ガンディード

カンディード 他五篇 (岩波文庫)

カンディード 他五篇 (岩波文庫)

ガンディード他五編。

著者はヴォルテール(1694~1778)フランス。

進化論が1859年なので、それより前。

進化論が世の中のひとつの大きな転換期と思うので、

それより以前、以降の思想かは、私の中で大事。


この本の一番最初の物語『ミクロメガス』

「これは、星新一の作品です」と言われたら私は違和感なく信じてしまう。

シリウス星のミクロメガスさんと、土星人の書記さんが、連れ立って宇宙の旅に出て、途中地球に立寄った時の話。

社会風刺のSFショートショート

ショートショートと言うには、ちょっと長いか。)

日本が江戸時代だった頃に書かれたと思うと、信じられないんだけど、

面白い!とにかく面白い!


星新一、大好き。

今でも、1年に1度くらいは読む。

星新一は、誰の影響を受けているのかな・・・

と、調べてみると、

レイ・ブラッドベリの『火星年代記』(地球人と火星人の対立に文明批判、アメリカ風刺を描いた作品。)

がSF世界へのきっかけとなっている。

なるほど、なるほど。納得。『火星年代記』是非とも読んでみたい。

レイ・ブラッドベリって『華氏451』の著者か!そかそかなるほどな。

それ以外に、

太宰治、ヘンリースレッサー、アナトールフランス・・・・・・・

アナトールフランス。

でも、アナトールフランスの中にもヴォルテールが感じられるんだけどな。

皮肉の中に人間に対する愛がこめられている。

アナトールフランスの『大衆は単純である。単純なことしか理解しない。』ということば。

ややこしさ、難解さを省き、皮肉を効かせた社会風刺が

アメリカでより合理的なショートショートという形で生まれたかなと思う。


星新一、本名の親一は、一のモットー「親切第一」のことだそうだ。

昔は名前には親の思いがこめられていた。

今、流行りのキラキラネームは、まず、

『他人からみて、どう思われるか』

親の思いより、社会の目を一番に気にしているあらわれ。

そういう親は、子育ても、社会の目を一番に気にしながら・・・

となっていき、

そんな親の思想が、子供に伝わっていく。

他人の思惑に気をとられて、自分を見失っていく、それが今の社会の傾向なのかもしれない。


んと・・・

ガンディードから命名論になってしまったけど(笑)