蝉しぐれ
ここ何年か、季節が前倒しになっているように感じる。
昨日関東も梅雨入り。
でもこの物憂い空に気が休まる。
燦々とした陽光は、こちらもそれなりのテンションを要求されるけど、
しっとりとした庭は、色も音も1トーン低くて落ち着く。
今日はお洗濯も布団干しも草むしりも掃き掃除も無し。
ゆっくり庭を眺めながらお茶を飲む、
こんな時間が好きで毎日頑張ってるのかもしれない。
- 作者: 藤沢周平
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1991/07
- メディア: 文庫
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映画、テレビドラマ、演劇にもなっている時代小説、
500頁近くあったけど、面白くて一気に読んでしまった。
時代小説らしくないというか、
気負いのなさがいい。
登場人物の感情と併せた自然の織り込み方もごくごく自然で、
映像にした時どうなったのか、映画もみてみたいです。
文四郎は刀を渡し、上がり框(がまち)に腰をおろして、用意してある濯(すすぎ)の水を使った。
せつの心遣いで湯をまぜた水はぬるく、足を洗うと疲れが取れるようだった。
束の間の平安という言葉が、また文四郎の胸にうかんで来た。
こんな何気ないシーンが、美しくて、優しくて。
上がり框も盥(たらい)も、今は無き風景で、
日本人はとても大切なもの、どこかに置いてきてしまっていること、無性に残念に思います。
日々の生活の中で失ってしまった歴史が、ここにある。
時代小説に、
お家騒動、剣豪勝負、友情、恋愛、青春、と、色々詰め込んであるので
1つ1つの浅さは否めないとしても、その為息もつかせぬ展開に一気に読まされちゃいました。
面白かった~
さーてーとー、
明日からお掃除がんばろっと。
時代小説読むと、
身を正したくなる(笑)
磨き抜かれたもの、鍛え抜かれたもの、時代小説の中の清貧は日本の美学。
身の回りに凛とした美しさを気負わず身につけられたらいいな。