自由と孤独
- 作者: 中里良二
- 出版社/メーカー: 清水書院
- 発売日: 2000
- メディア: 単行本
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ルソーの感覚は、理解しがたい。
わからないわけではないけど、自分の感覚と隔たりがありすぎる。
(何故そうなる・・・?)
放浪生活で貧しいながら、ルソーに仕事を世話したり、住まいを与えたり、
世話をしてくれる人たちが次から次へと現れる。
ヨーロッパではこういったパトロンのように世話をする貴族たちがどこにでもいたのかな。
ルソーにも常に誰かが手を差し伸べてくれるのだけど、
勝手にやめたり、いざこざを起こしたり、どこも長くは続かない。
ルソー本人は、音楽家として身を立てたかったようだけど、それほどの才能は無かったようで、
でも音楽が好きだったのだと思う。
人とうまくゆかないのは、生涯続いた。
ルソーは、あくまでも自由だった。
「人間の自由はやりたいことをやることにあるのではない、と私は常々考えてきた。
『嫌なことはしない自由』こそが自由である」
日本の戦前の教育なら「嫌なことに耐えるのが人間の生き方」だったと思うし、
今でも日本には、忍耐こそ美徳のようなところがあるから
やはりルソーの考える自由は、自由過ぎて私にはポカーンとしてしまう。
でも
ルソーは悲しい。あまりに悲しい。痛ましく思える。
これほど有名な人が、発狂するほど孤独だったとは。
発狂するほどの苦しみにしか幸せを求められないって悲しすぎて、
ギュって抱きしめてあげたくなる・・・・・