アイデンティティーの尊重
- 作者: ジャン-クリストフヴィクトル/ヴィルジニーレッソン/フランクテタール,鳥取絹子
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2007/07/24
- メディア: 大型本
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読了。
自分の無知を知るばかりです。
特に元ソ連から独立したあの周辺の国々が、今何がどうなっているのか。
ニュースにもならない地域は、安定しているのかと思えば、
日本のニュースにはならない紛争は常に起きている。
日本は、日本との関連性で教科書も報道も重要度を判断しているようです。
こうやって、世界を眺めていると
EU(欧州連合)が、ノーベル平和賞を授与されたのがわかる気がする。
EUの理念として、もう隣国同士諍いはやめて、共同で資源を管理し、仲良くやっていきましょう。
争いの火種になる資源を、平和の種に変えようと。
それは決して誇れることからでなく、
終わりのない戦争でヨーロッパ全土がボロボロになった。
もうこれ以上の争いはやめようと。
EUが発足されるまでの代償ははかりしれない。
EUの良いところは、各国のアイデンティティ-が生かされたままの統合です。
生かされてというより、
彼等は、あくまでも、ドイツ人、フランス人、であって、ヨーロッパ人などという観念はありえないのではないかと。
いかに統合しても、ドイツ人であり、フランス人でしかない。
大きなものに取り込まれることなく、各自、各国それぞれの生き方をしている。
それとまったく逆なのが中国。
チベットが、気の毒すぎます。
何世紀も変わらなかったチベットの古都は中国共産主義によって勝手に作り変えられ、
チベットの人口より多い中国人を移民させ、
チベット固有の文化、伝統、宗教、言語を中国共産主義で勝手に塗り替えてしまっている。
チベット仏教は、雄大な自然との調和で生きてきた。
それを無視し、環境保護もせずに資源採取を続け、核廃棄場にまでしてしまっている。
ウイグルにおいては、住民に何も知らせず何十回と核実験までしている。
反中国の言動は逮捕されてしまうので、チベットの人たちにはどうすることも出来ない。
焼身自殺という形で抗議をしたチベット人は100人以上。
中国がしていることは、
日本に2億人の中国人を移民させ、
京都の建造物を壊し、新しい街として作り変え、皇居を博物館にしてしまい、
日本人に中国語を強制し、中国式の生活をさせているようなもの。
そんなことが許されていいわけない。
それでは、日本人が日本人でなくなってしまう。
ただ日本という土地に住む中国人と化してしまう。
中国共産党が目指すものはわかる。
もし世界が同じ言語、同じ通貨になったら、都合もいいし、便利。
でもそれをしたら、次々と国は消えていき、残るのは大国のみ。
最終的に国が無くなり民族それぞれのアイデンティティーがなくなれば、紛争もなくなる・・・
めでたし、めでたし。
なわけない。
世界は中国を非難している。
でも、非難しても「内政不干渉」で、やめようとはしない。
「中国はチベットに口出しするのをやめなさい」と言うのと、
「他国が中国に口出しするのはやめなさい」が、同列になってしまうというジレンマ。
世界が、チベットやウイグルを助けなければいけないのに、どこも何も出来ないでいる。
中国に経済制裁したところで、中国より経済制裁をした国の方が痛手を被ることになりそう。
世界は、弱い者いじめをしている中国に何も出来ない。これが現実。
もうこれ以上焼身自殺という、自分の命を賭して平和を訴えるような悲しいことがあって欲しくない。
世界中で支援の輪が広がることを祈るばかりです。
それぞれのアイデンティティーを尊重し合いながらの地域統一は、
個人の個性を尊重するヨーロッパの人だから出来るのでしょうか。
個が確立しての統合。
ギリシャが破綻したり難しい面が色々あると思うけど、EUは世界の希望であり、期待であり、
EUの輪が、東欧、中東、ロシア、そして世界中がそういう形で結ばれたらいいな。