歴史の遺産
shibaryoutarou 「昭和」という国家/司馬 遼太郎
- ¥1,944
- Amazon.co.jp
司馬遼太郎は心が躍る。
この半年間、明治維新に至る本を続けて読んだ。
仕事が忙しくて、ほとんど読書する時間もなく、唯一お風呂の中だけが読書の時間。
それさえ、湯船の中で1頁読むか読まないかで瞼が閉じてしまう。
よくぞ、1度も湯船に本を落とすことなく上手く寝たものだと感心する。
- ¥1,274
- Amazon.co.jp
なんでこの本を手にしたのかは憶えていないけど、初めての講談社学術文庫は読みやすかった。
-
福翁自伝 (講談社学術文庫)/土橋 俊一
- ¥1,188
- Amazon.co.jp
これまたお札の人が、現実となって私にもわかりやすい言葉を届けてくれた。
福沢諭吉は学問の人。
もっと小難しいことをいうのかと思っていたけど、
福沢諭吉自身が『文章はサルにもわかるように』というだけあって、
そして合理的な考えであることがわかる。
明治維新というと、日本のため命がけで東奔西走した武士のイメージがあるけど、
「世の中に暗殺ほど怖いものはない」
「藩の若い大切な命をそんなこと(革命)で落とさせてはいけない」など、
この時代にはそぐわない視点が面白い。
この時代に合理的というのは、
江戸時代が非合理の世界なのだから、相当に西洋的考えというか、
他の人とはまったく違う視線で、日本を冷ややかに見つめていた。
江戸から明治の転換期は、人がバタタバタしてややこしい。
なので、理解するために買った本が
- 一冊でわかるイラストでわかる図解幕末・維新―地図・写真を駆使 超ビジュアル100テーマ オール.../著者不明
- ¥1,404
- Amazon.co.jp
- 明治維新とは、いったい誰が何をしてたんだ?ということが、図解になっているこの1冊でようやく解明。
解明と同時に、さらなる疑問も湧いてくるのだけど。
この本は出来事を辿った本。
もっと人間を感じたくて手に取ったのがこの本。
- 「明治」という国家/司馬 遼太郎
- ¥1,888
- Amazon.co.jp
私は徳川慶喜ファンで、長州や薩摩にはほとんど興味がない。
特に長州はどうも趣味に合わない(笑)
だけど西郷隆盛に惹かれてしまった。
でも本当に西郷隆盛に心酔したのは私ではなく、当時の人びと。
勝海舟も西郷隆盛のことばかり言ってる。「南洲が生きていたらナ~」と。
福沢諭吉も政府が西郷隆盛を逆賊としたことに対し、怒りの念を抑えきれず筆をとっている。
それがあまりに過激だったため、しばらくは封印となってたほどだ。
西郷隆盛に興味が湧いて読んだのが次の2冊。
- ¥518
- Amazon.co.jp
- [新訳]南洲翁遺訓/松浦 光修
- ¥1,026
- Amazon.co.jp
南洲翁遺訓に関しては、筆者の松浦光修が西郷さんを好きすぎて、
私見が強く、これでもか!これでもか!と褒めたたえる書き方に辟易する部分はあるけれど、
西郷さんの魅力は伝わってくる。
成したこともすごいけど、西郷さんの人望すごい。
でも西郷さんは西郷さん。今でもさん付けで親しまれているのが何よりの証拠。
こうして明治維新を数冊を読み辿った。
この半年はあまりに忙しくて、ほとんどアウトプットしていない。
読み散らかして終わって、私の頭の中に残ったのは、ほんの欠片のみ。
きちんと記したいと思いながら日が過ぎていくのみ。
もうちょっとなんとかしなければ!
幕末から明治にかけては革命の時代。特殊な時代だ。
そして、敗戦までの昭和も。
今はそこを読んでいる。
戦争に駆り立てたあの時代はなんだったのか。
渋滞の先頭がよくわからないように、戦争へと駆り立てた先頭もよくわからない。
軍部は、日本人のどこから生まれてしまったものだったのか。
江戸という時代にとっちらかしたものを明治時代に後ぬぐいし、
明治大正という時代の後ぬぐいを昭和という時代がし、
平成は昭和の後ぬぐい。
いつの世も、後ぬぐい。
後ぬぐいによってまた新たに起こる問題を次世代が対処。
世の中はその繰り返し。
人生もね。
問題解決は、そこで終わりではない。
新たなる問題を生むことでもある。
負の遺産もひっくるめて受け継がれていく。
日の丸にしみ込んでいる負の遺産。それだって受け継いでいく。
日の丸を燃やせば済むなんて単純なものではない。