悠久の片隅

日々の記録

歴史の遺産

shibaryoutarou 「昭和」という国家/司馬 遼太郎

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司馬遼太郎は心が躍る。

この半年間、明治維新に至る本を続けて読んだ。

仕事が忙しくて、ほとんど読書する時間もなく、唯一お風呂の中だけが読書の時間。

それさえ、湯船の中で1頁読むか読まないかで瞼が閉じてしまう。

よくぞ、1度も湯船に本を落とすことなく上手く寝たものだと感心する。

明治維新に興味をもったというより、最初は勝海舟だった。

氷川清話 (講談社学術文庫)/講談社

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なんでこの本を手にしたのかは憶えていないけど、初めての講談社学術文庫は読みやすかった。

勝海舟の自伝で、歴史の中にいる人物だった勝海舟の生身の声が聴けたことに興奮した。

勝海舟から派生して次に読んだのが福沢諭吉

福翁自伝 (講談社学術文庫)/土橋 俊一

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これまたお札の人が、現実となって私にもわかりやすい言葉を届けてくれた。

福沢諭吉は学問の人。

もっと小難しいことをいうのかと思っていたけど、

福沢諭吉自身が『文章はサルにもわかるように』というだけあって、

そして合理的な考えであることがわかる。

明治維新というと、日本のため命がけで東奔西走した武士のイメージがあるけど、

「世の中に暗殺ほど怖いものはない」

「藩の若い大切な命をそんなこと(革命)で落とさせてはいけない」など、

この時代にはそぐわない視点が面白い。

この時代に合理的というのは、

江戸時代が非合理の世界なのだから、相当に西洋的考えというか、

他の人とはまったく違う視線で、日本を冷ややかに見つめていた。

江戸から明治の転換期は、人がバタタバタしてややこしい。

なので、理解するために買った本が

一冊でわかるイラストでわかる図解幕末・維新―地図・写真を駆使 超ビジュアル100テーマ オール.../著者不明

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明治維新とは、いったい誰が何をしてたんだ?ということが、図解になっているこの1冊でようやく解明。

解明と同時に、さらなる疑問も湧いてくるのだけど。

この本は出来事を辿った本。

もっと人間を感じたくて手に取ったのがこの本。

「明治」という国家/司馬 遼太郎

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私は徳川慶喜ファンで、長州や薩摩にはほとんど興味がない。

特に長州はどうも趣味に合わない(笑)

だけど西郷隆盛に惹かれてしまった。

でも本当に西郷隆盛に心酔したのは私ではなく、当時の人びと。

勝海舟西郷隆盛のことばかり言ってる。「南洲が生きていたらナ~」と。

福沢諭吉も政府が西郷隆盛を逆賊としたことに対し、怒りの念を抑えきれず筆をとっている。

それがあまりに過激だったため、しばらくは封印となってたほどだ。

西郷隆盛に興味が湧いて読んだのが次の2冊。

西郷隆盛 (角川文庫)/池波 正太郎

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[新訳]南洲翁遺訓/松浦 光修

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南洲翁遺訓に関しては、筆者の松浦光修が西郷さんを好きすぎて、

私見が強く、これでもか!これでもか!と褒めたたえる書き方に辟易する部分はあるけれど、

西郷さんの魅力は伝わってくる。

成したこともすごいけど、西郷さんの人望すごい。

勝海舟福沢諭吉

でも西郷さんは西郷さん。今でもさん付けで親しまれているのが何よりの証拠。

こうして明治維新を数冊を読み辿った。

この半年はあまりに忙しくて、ほとんどアウトプットしていない。

読み散らかして終わって、私の頭の中に残ったのは、ほんの欠片のみ。

きちんと記したいと思いながら日が過ぎていくのみ。

もうちょっとなんとかしなければ!

幕末から明治にかけては革命の時代。特殊な時代だ。

そして、敗戦までの昭和も。

今はそこを読んでいる。

戦争に駆り立てたあの時代はなんだったのか。

渋滞の先頭がよくわからないように、戦争へと駆り立てた先頭もよくわからない。

軍部は、日本人のどこから生まれてしまったものだったのか。

江戸という時代にとっちらかしたものを明治時代に後ぬぐいし、

明治大正という時代の後ぬぐいを昭和という時代がし、

平成は昭和の後ぬぐい。

いつの世も、後ぬぐい。

後ぬぐいによってまた新たに起こる問題を次世代が対処。

世の中はその繰り返し。

人生もね。

問題解決は、そこで終わりではない。

新たなる問題を生むことでもある。

負の遺産もひっくるめて受け継がれていく。

日の丸にしみ込んでいる負の遺産。それだって受け継いでいく。

日の丸を燃やせば済むなんて単純なものではない。