悠久の片隅

日々の記録

地図で読む世界情勢

地図から読み解いていく世界情勢。

フランスの地政学者らの編纂で、1冊1600円×2部。

先日読んだ池上氏の世界地図の読み方は、ほぼ同じ様式で1300円

池上彰 国際問題がわかる! 世界地図の読み方

池上彰 国際問題がわかる! 世界地図の読み方

フランスで売れたことで、日本でも同じ手法で出したのでしょう。

池上氏のは、大まかなとこを、誰にでもわかるように、サクっと1日で読める程度に書いてある。

フランス版の方は、2冊でその5、6倍の広い内容になっていて、

日本からすれば、名前も知らないような所でも世界的にみれば重要な拠点になっている場所等、

私の場合、ヤルタ会談ってなんだっけ?NATOってなんだっけ?の人なので、

調べながら読んでいるので、ちょっと時間がかかっています。

すべてのページが多色刷りで掲載されていて、見やすいようだけど、何故か地図が見にくい(笑)

フランス人との感覚の違いかな。

日本のものもフランスのものも、切り口はまったく同じで、

両方を読む必要は全く無いけど、

フランス版の方の、フランス人目線がけっこういい感じかも。

たとえば、日本についての箇所は、

「陽が昇る国」とも言われる日本だが、自然環境を見ると、台風が頻繁に上陸し、

地震は多く、列島は分断されていて、むしろ過酷としか言いようがない。

そんな国で、人々はどのように生活しているのだろうか?

日本のところを全文載せたいくらい面白いです。

この本は東日本大震災より以前に発行されたものですけど、

(なんで地理的に危険なことがわかっているのに、原子炉など平気で建てたのか、

なんでそんな所に平気で暮らすことが出来るのか)

日本人以上に他国から見れば不思議で、その感覚を信じられないことでしょう。

確かに、地震国ではあっても、

自分がその災難に遭うとはなかなか考えづらい。

今日が平和なら明日も明後日も平和な気がしてしまう。

神戸、東北とあれほどの大災害があっても、また大型台風による被害の記憶もまだ新しいのに、

自分が死ぬという想定はなかなか出来ない。

今日生きているから明日も生きているような気がしてしまう。

人間とは、どんな状況でもそういうものなのかな。

列島が分断しているという感覚も、

日本は元々周りが全部海ですから、北海道、本州、四国、九州がそれぞれ離れていても、

日本人の感覚では、海もまた生活環境の一部であって、

分断や過酷という大げさな語句を使うのは、やはり大陸的感覚なんだなーと思わされます。

多分広い大陸に住んでいると、

島なんて使い勝手がよくない・・・そんな感覚なのかも。

外からの見た目での使い勝手での住みやすい、住みにくいという感覚より、

アイデンティティー?のようなものの方が住んでいる人間にとっては

大きい・・・ってことなのかな。

私が砂漠に住んでいる人たちは、さぞかし不自由でしょ・・・と思うのと同じなのかな。島国。

池上氏は、決してステレオタイプにはなってはいけないことを、強調しています。

たとえば、他国から見ての日本人男性といえば、

仕事中毒、男尊女卑、いやらしい(過去のアジアでの売春行為)

これが現在の日本人男性の象徴ではないことは日本人ならわかっていても、

他国からは固定観念で見られていることは多々あって、

同じく私も世界に対して、かなり固定観念で見てしまっていることが、

フランス版の方を読むとよくわかる。

とはいえ、

この本もまたフランス発あるいは地政学からの固定観念の目かもしれなくて、

私が自分の目で見、肌で感じたもの以外は、情報(誰かの私感)であって実体ではないことを気をつけなければいけないと感じた。